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ジメジメと蒸し暑く、汗や皮脂が気になる夏。冬に比べると肌がうるおっていると感じるかもしれませんが、実は夏場はインナードライに注意が必要。そして、このインナードライを放置していると、シワやくすみなどのエイジングサインが現れる恐れも。この記事では夏にインナードライが起きやすい理由と、その対策について紹介します。
インナードライ肌とは?
インナードライ肌とは、表面は皮脂でべたついているのにもかかわらず、角層の水分が不足している状態。皮脂や汗によって肌表面はうるおっていると感じるため、乾燥していることに気づきにくいのです。そのため「隠れ乾燥肌」と呼ばれることもあります。
インナードライ肌と脂性肌の違いは?
インナードライ肌は脂性肌と見た目がよく似ています。肌状態に合わせてケアができるように、インナードライ肌と脂性肌との違いを知っておきましょう。
脂性肌とは
油分だけではなく水分も多い状態。皮脂によるべたつきは目立つものの、肌はうるおっていて弾力があります。
インナードライ肌とは
油分だけが多く、水分は不足した肌のことです。ごわつきやカサつきを感じやすい上、毛穴が目立ったり、皮がむけたりすることもあります。
インナードライ肌はどんな状態?
健康な肌は異物の侵入を防ぐとともに、水分の蒸発を防ぐ「バリア機能」が備わっています。このバリア機能を担っているのが、表皮の最も外側にある角層です。角層では「皮脂」「NMF(天然保湿因子)」「細胞間脂質」の3つの保湿因子があります。これらにより、肌のうるおいを一定に保っています。
ところが紫外線ダメージや生活習慣の乱れなどが原因で保湿因子が減少すると、バリア機能が低下。これにより、角層の水分保持能力が弱まってしまします。すると、肌のうるおいを保てず、乾燥しやすくなるのです。こうなると、さらなる乾燥を防ぐために皮脂を過剰に分泌します。その結果、表面だけが皮脂でべたつき、角層は乾燥したインナードライ肌になってしまうのです。
乾燥が進んだ肌は、ダメージを回復するためにターンオーバー(表皮の生まれ変わり)のサイクルを早めます。ターンオーバーが早まるということは、未熟な角層細胞が増えるということ。未熟な角層細胞はバリア機能が不十分なので、適切な水分量を保持できません。こうして、ますます肌の乾燥が進むという悪循環に陥ってしまうのです。

夏にインナードライが起きやすいのはなぜ?
乾燥肌は秋冬のイメージですが、実は夏こそインナードライが起きやすい季節です。夏は肌の乾燥を招く要因がたくさん潜んでいます。ここでは夏にインナードライが起きやすい理由を見ていきましょう。
紫外線

紫外線は肌のバリア機能を低下させ、乾燥を進ませます。特に7~8月は、日焼けの主な原因となる「紫外線B波」が最も多く降り注ぐ時期。紫外線B波は肌に炎症を起こすほか、メラニンを増加させてシミ・そばかすの原因を作ります。また表皮にダメージを与えてターンオーバーを乱すため、肌は水分を保てずに乾燥してしまうのです。
汗

汗が蒸発するときには角層の水分も奪われるため、肌が乾燥してしまいます。汗をかいたらそのままにせず、すぐにふき取ることが大切です。また、汗をかいた状態で扇風機やエアコンの風を浴びると、一気に乾燥が進むので注意しましょう。
冷房

冷房の効いた室内では、湿度が冬と同じくらいまで下がるといわれています。空気が乾燥した環境で長時間過ごすと、角層から水分が失われ、肌の乾燥を招きます。
間違ったスキンケア

夏場は汗や皮脂が増えるため、「ベタベタするから」と乳液やクリームを避ける人もいるでしょう。しかし紫外線や汗、冷房などのダメージにより、夏の肌は乾燥しやすい状態です。油分を補わずにいると、肌のバランスが乱れて乾燥しやすくなります。
また皮脂を落とそうとしてゴシゴシ洗いすぎたり、ふきとり化粧水・スクラブ洗顔などを頻繁に使うことは避けましょう。インナードライの原因になります。摩擦による刺激が角層にダメージを与え、バリア機能が低下して乾燥につながるためです。
偏った食事・睡眠不足

食欲が落ちる夏は、ついつい冷たくてさっぱりした食べ物にばかり手が伸びますよね。しかし、すこやかな肌を保つためには、たんぱく質やビタミン、ミネラルといった栄養素が不可欠です。また冷たいものの取りすぎは体を冷やし、血行不良の原因になることもあります。
睡眠不足にも要注意。肌のターンオーバーが活発になるのは睡眠中です。寝室の温度や環境を工夫して、質の良い睡眠をとるよう心がけましょう。
インナードライを見分けるセルフチェック方法
「もしかして私もインナードライ肌?」と思ったら、ぜひセルフチェックしてみましょう。
☑ 皮脂が多いものの、洗顔後には肌がつっぱる
☑ 肌にしなやかさがなく、ゴワついている
☑ カサカサしたり、皮がむけている部分がある
☑ 肌のキメが粗く、毛穴の開きが目立つ
☑ スキンケアコスメが肌になじみにくい
☑ ベースメイクののりが悪い
一つでも当てはまった人は、気付かないうちにインナードライ肌になっているかもしれません。
インナードライによって現れるエイジングサインとは?

インナードライに気付いたら、早めの対策をおすすめします。インナードライを放っておくと、シミやくすみ、シワといったエイジングサインが現れる可能性があるからです。
インナードライ肌は表面こそ皮脂でべたついていますが、実は角層の水分が不足し乾燥した状態。角層の水分量が十分でないと、肌のターンオーバーが乱れてしまいます。一度調子を崩すと、健康な肌を取り戻すには時間がかかることも。
紫外線量が増える夏にターンオーバーが乱れていると、生成されたメラニンをスムーズに排出できません。すると、シミやくすみといったエイジングサインにつながることがあるのです。また角層の保水力が低下することで肌表面のしなやかさが失われ、乾燥による小ジワもできやすくなります。このような肌悩みが深くなる前に、日頃のスキンケアを見直してみませんか?
インナードライ対策のための夏向けスキンケア
インナードライ対策のために重要なのは、紫外線から肌を守ることと皮脂を落としすぎないこと。そしてしっかり保湿をすることです。詳しく見ていきましょう。
紫外線対策を欠かさない
紫外線は肌にダメージを与え、インナードライの主な原因となります。肌のバリア機能を正常に保ち、うるおいを守るためには、紫外線対策が欠かせません。日焼け止めを塗るほか、つばの広い帽子やサングラス、日傘などを活用して肌に浴びる紫外線をできる限り減らしましょう。日焼け止めは適量を、ムラにならないように塗るのがポイント。汗や摩擦で落ちやすいので、こまめに塗り直すことも大切です。
皮脂を落としすぎない
皮脂の落としすぎは禁物です。皮脂は肌を乾燥から守る働きがあるため、落としすぎると肌本来のバリア機能が低下してしまいます。クレンジングや洗顔料は洗浄力の強すぎないものを選び、たっぷりの泡でなでるように洗いましょう。
摩擦による刺激も肌に大きな負担をかけます。クレンジングや洗顔の際には、ゴシゴシこすらないように注意しましょう。
あぶらとり紙は本来必要な皮脂まで取りすぎてしまうことがあります。頻繁に使うのは避け、皮脂が気になる場合はティッシュペーパーでやさしく押さえるのがおすすめです。
夏でも保湿はしっかりと
洗顔後の肌は乾燥しやすいので、時間をおかずに化粧水をなじませてください。さらに乳液やクリームで油分も補給しましょう。暑いとつい、化粧水だけで済ませたくなることも。しかし、乳液やクリームを使わないと、水分や保湿成分を閉じ込めることができません。また必要な油分を補わないと肌が乾燥し、ますます皮脂分泌が過剰に分泌されます。肌のバリア機能を保ち、余分な皮脂分泌を抑えるには、水分と油分をバランス良く補うことが大切です。
べたつきが気になる場合は「さっぱりタイプ」を選ぶ
さっぱりタイプは保湿力が低いイメージがあるかもしれませんが、実は使用感を示すもの。ですので、成分的にはしっとりタイプとそれほど変わらないものが多いでしょう。
目元の部分的な乾燥にはスペシャルケアを取り入れる
「目元用美容液やクリーム」「マイクロニードルパッチ」など集中保湿ケアがおすすめです。保湿ついでに目元の悩みに合わせて美容成分を選ぶとよいでしょう。
日中はエアコンや紫外線、汗をかくなどにより乾燥しやすいため、ミスト状化粧水でこまめにうるおいを補給するのも良いでしょう。ただし、アイテム選びにはポイントがあります。ミストが乾くときに肌の水分まで奪ってしまわないように、保湿成分が入ったものを選びましょう。オイルインタイプもおすすめです。
インナードライ対策でエイジングサインを予防しよう
夏にはインナードライになる要因がたくさん! 気付かないうちに肌の内側は乾燥しているかもしれません。インナードライを引き起こさないよう、紫外線対策と保湿を心がけたいですね。スキンケアのほかに、睡眠不足や暴飲暴食を避け、生活習慣を整えることも大切です。しっかりとインナードライ対策をして、エイジングサインを予防しましょう。