美容情報 #17

紫外線対策こそエイジングケアの鍵!重要な訳を解説

  • #エイジングケア

最終更新日:2023年3月30日

  • ライター

    メグミ

    • CERTIFICATION 資格

      コスメコンシェルジュ・コスメライター

紫外線とは?

私たちが毎日のように浴びている太陽光。その太陽光の中で分類されるうちの一つが「紫外線」です。紫外線は波長の長さによって「紫外線A波(UVA)」「紫外線B波(UVB)」「紫外線C波(UVC)」の3つに分けられます。地表に届くのは「紫外線A波(UVA)」と一部の「紫外線B波(UVB)」であるため、私たちはこの二つの紫外線による肌への影響を考えなければいけません。では、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

紫外線A波(UVA)の特徴について

「UVA」は「UVB」に比べて、より波長の長い紫外線です。肌表面へのダメージは小さいものの肌の真皮の部分にまで届くという特徴があります。私たちが日常生活で浴びている紫外線の大半が「UVA」にあたり、「生活紫外線」とも呼ばれます。肌のより深いところまで行き届くため、長期的に蓄積され続けると肌への影響が大きくなると考えられます。外出時だけではなくガラス窓越しの室内にも届くため、注意が必要です

紫外線B波(UVB)の特徴について

「UVB」は「UVA」に比べて、より波長の短い紫外線です。肌の表皮の部分までしか届かないものの、エネルギーが大きいため短時間でも肌のダメージに繋がりやすいという特徴があります。日差しを長時間浴びると肌が赤くなったり水膨れができたという経験がある方もいるのではないでしょうか。これが「UVB」による日焼けの炎症(サンバーン)です。強いエネルギーによって表皮の細胞を傷つけ、皮膚ガンの要因となることもあります。

UVA・UVB エイジング現象

紫外線が肌に与える影響とは?

外的要因の中で特に注意したいのが「紫外線」。肌の老化は加齢が大きな要因だと思う方も多いはず。実は、加齢は老化の要因の20%程度にとどまり、米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology=AAD)によると、老化の約80%が光老化など外部環境によると発表しています。紫外線による老化のことを「光老化」といい、紫外線から肌を守ることは光老化を防ぐ、エイジングケアにも繋がるのです

これまで紫外線について詳しく述べてきましたが、紫外線を浴びることで、肌にどのような影響が現れるか具体的にお伝えしていきます。

肌のバリア機能の低下

肌内部を守る役割を持つバリア機能は、大きく分けて二つの役割があります。

紫外線がバリア機能の及ぼす影響

1.外的刺激から肌を守る

表皮は厚みがわずか0.2mmと非常に薄いのですが、大気中の塵やホコリ、乾燥、紫外線などの肌トラブルの要因となる外的刺激や異物から肌を守る役割をしています。

2.肌内部の水分を守る

肌のバリア機能を果たしてくれるのは、NMF(天然保湿因子)・セラミドやコレステロールなどの細胞間脂質・皮脂膜です。特に細胞間脂質は角質細胞同士を繋ぎ止めることで水分を逃さないようにする重要な働きをしています。それぞれ水分を保持する働きがあるため、これらによって角質層の潤いが保たれます。

しかし、紫外線を過度に浴び続けてしまうと肌のバリア機能が正常に働かなくなります。その結果、肌内部の水分が失われて乾燥しやすくなったり、大気中の刺激や異物がダイレクトに肌へ入り込むことで肌荒れを起こします。肌のバリア機能が低下することは、様々な肌トラブルに繋がることにもなるのです

シワやたるみを引き起こす

シワやたるみは年齢を想像させやすい老化現象として、気にされる方も多いのではないでしょうか。エイジングサインの代表格である“シワ”、実は紫外線でも引き起こされてしまいます。

紫外線によるシワの種類

1.表皮性シワ

先ほど述べたように、紫外線を過度に浴びることでバリア機能が低下すると肌の乾燥が進みます。この乾燥によって肌のキメが乱れ、表皮層に小ジワが生まれます。一時的なものではありますが、ダメージが蓄積されると修復が間に合わなくなり、より深いシワに繋がってしまうこともあります

2.真皮性シワ

波長の長い「UVA」は表皮よりも深い場所にある真皮まで届き、コラーゲン繊維やエラスチン繊維にダメージを与え、破壊や変性を引き起こします。その影響で、肌の弾力やハリが失われて深いシワが生まれるのです。このシワはたるみの原因ともなり、肌印象に大きく影響します。

真皮層へのダメージで生まれた深いシワは一度できると簡単に戻すことができません。日頃から紫外線を過度に浴びないよう注意することが大事になります。

シミを増やす、濃くする

紫外線による肌への影響で最も知られている“シミ”。対策を行っている方も多いのではないでしょうか。

紫外線がシミに与える影響

紫外線を浴びると情報伝達物質によって「メラニンを作れ」という指令がメラノサイトに伝達されます。そしてチロシナーゼという酵素によってメラニンが生み出されます。このメラニンの黒い色素によって紫外線が吸収される仕組みになっています。メラニンは基底層からだんだんと角質層に上がっていき、最終的には肌のターンオーバーによって排出されていきます。メラニン自体は紫外線から肌を守る役割があり、悪いものではありません。しかし、過度に紫外線を浴び続けてしまうとターンオーバーが正常に行われなくなり、排出されるはずのメラニンが肌内部に蓄積することでシミとして現れます。一点に溜まるとシミとなりますが、全体に広がるとくすみの原因にもなってしまいます

意識して取り組みたい、おすすめの紫外線対策

ここまで、紫外線を浴びることで様々な肌悩みが引き起こされる事について紹介してきました。特に深いシワや濃いシミはできてしまうと改善するのが難しいものです。また今の肌状態に変化がなくとも、紫外線を浴び続けていると将来的に肌悩みが表れることがあるかもしれません。光老化を防ぐためにも紫外線対策をしっかり行い、健やかな肌を保ちましょう。今回は、すぐに実践できる紫外線対策をご紹介します。できることから始め、習慣化していきましょう。

サングラスを使用する

物理的に紫外線を浴びないようにするための方法です。目に紫外線が入り込むと脳が刺激され、メラニンの生成を促進させます。肌だけではなく目に入り込む紫外線にも注意が必要なのです。サングラスをかけることは目の炎症を防ぐこと以外にも肌の紫外線対策にもなるのです。

サングラスの選ぶときは、必ずUVカット率と紫外線透過率をチェックしましょう。UVカット率は紫外線をどれだけ遮断できるかを表した数値、紫外線透過率は紫外線がどれだけ通り抜けるかを表した数値です。表示内容は商品によって異なりますが、UVカット率は%数値が高いもの、紫外線透過率は%数値が低いものを選ぶことが大事です。レンズの色の濃いものが紫外線防止効果が高いというわけではありません。表示を確認して色が薄いものを選ぶことをおすすめします。ファッション用のサングラスは紫外線防止効果が十分でないものもあるので注意しましょう。

日傘をさす

肌に紫外線を浴びない方法として日傘をさすことは効果的です。デザインや形など様々な種類の日傘がありますが、持ち運びのしやすさでいうと折り畳みタイプがおすすめです。

日傘を選ぶときは紫外線遮蔽率とUPFをチェックしましょう。UPFは紫外線防護係数のことで、直接素肌が紫外線を浴びるときのダメージに達するまでにどれだけ時間がかかるかを表した数値です。基本的には紫外線遮蔽率とUPFは併記されています。さらに遮光率の数値が高いものを選ぶと快適な涼しさを感じることができます

日傘の生地にUVカット加工がなされているものの他に、裏側にコーティングされているものもあります。このコーティングは紫外線遮蔽率と遮光率がどちらも高い仕上がりとなるので、しっかり紫外線を防ぎたい方や特に紫外線が強い日などに使うと良いでしょう。日傘は紫外線の吸収率が高い黒色が一般的ですが、裏側にコーティングされているものは紫外線防止効果が高いため、好みのデザインや色を選べるのでおすすめです。

日焼け止めを塗る

紫外線対策の必需品である日焼け止め。日焼け止めを選ぶときはPA値とSPF値をチェックしましょう。SPFはUV-Bに対する防止効果を表した数値で、日焼け止めを塗らないときと比べて日焼けの時間をどれだけ遅らせることができるかを示しています。SPF2〜50+まであり、数値が大きいほど紫外線防止効果が高くなります。PAはUV-Aに対する防止効果を表した数値です。PA+〜++++まであり、SPF値と併記されています。+の数が多いほど紫外線防止効果が高くなります。

「夏の間は欠かさず塗っているから」「外出するときは塗るように心掛けているから」という方もいるのではないでしょうか。UV-Aは室内にも届き、紫外線は夏だけではなく年中降り注いでいるため、塗り方を見直す必要があります。しかし日射量が少ない日に紫外線防止効果の強力な日焼け止めを使うと肌の負担になるので、PA値とSPF値が大きければ良いわけではありません。また塗ったときの防止効果が永続するわけではないので、長時間紫外線を浴びる場合はこまめに塗り直しましょう。

生活シーンに合わせた日焼け止めの選び方

日焼け止めのタイプは様々。きしみ感が気になる方は、みずみずしいジェルタイプやミルクタイプがおすすめです。日中塗り直したい場合は、メイクの上からでも使いやすいスプレータイプがおすすめです。

  • 監修者

    髙木 裕子

    • EDUCATION 学位

      大邱漢医大学 化粧品薬理学部 卒業

    • EXPERIENCE 職歴

      2019年入社
      前職の化粧品メーカーで研究開発、評価研究、商品企画、営業企画を経験。
      NISSHAでは新規事業開発部門 マーケティング部に配属

    • CERTIFICATION 資格

      コスメコンシェルジュ(日本化粧品検定協会)

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