美容情報 #35

乾燥対策におすすめ、美容レシピ

  • #季節のお手入れ
  • #エイジングケア

最終更新日:2023年4月25日

  • ライター

    Kana

    • CERTIFICATION 資格

      コスメコンシェルジュ・コスメライター

毎日きちんとスキンケアをしても乾燥を感じる人は、食事や睡眠などのインナーケアを見直すタイミングかも。肌は食べた物からできており、偏った食事はホルモンバランスを崩したり、肌のバリア機能を低下させる原因に。今回は乾燥肌対策に有効な栄養素や食材、その食材を使った美容レシピをご紹介します。毎日の食事を見直して、潤い肌を取り戻していきましょう。

肌の乾燥

乾燥対策におすすめの栄養素

肌の乾燥は、加齢、空気の乾燥、紫外線ダメージ、ターンオーバーの乱れ、食生活の偏りなどが原因で起こります。加齢によって水分を保持する力が低下し、年々乾燥を感じやすくなります。ですので、日頃から部屋を乾燥させないように工夫したり、スキンケアで保湿していくことが必要です。またそれだけでなく、肌の生まれ変わりを正常に機能させるには、新しい肌を作るための材料となる栄養素を摂ることも欠かせません。「肌は食べたもので作られる」とも言われるほど、食事と肌状態は密接に関係しています。

乾燥対策に有効な栄養素をご紹介する前に、前提としてバランス良く食べることを意識しましょう。特にタンパク質、ビタミン、ミネラル、脂質が不足すると肌荒れの原因になりやすいと言われます。過度なダイエットなどで栄養不足になると、体内で保湿成分を作る機能が低下するのです。すると、さらなる肌荒れや乾燥につながります。様々な栄養素をバランス良く摂ることを意識しながら、乾燥対策に有効な食品やその食べ方を実践しましょう。
それでは、乾燥肌に有効な栄養素やその栄養素を含む食材を見ていきましょう。

タンパク質

【特徴】
タンパク質は肌の水分以外の約60%を構成しており、天然保湿因子など保湿成分の原料でもあります。不足すると肌をつくる細胞がスムーズに働けず、みずみずしさやハリ、弾力が失われて乾燥肌の原因に。タンパク質は乾燥が気になるときやその他のあらゆる肌悩みの際にまず摂りたい栄養素です。
タンパク質は体内に貯めておくことができず、余ったら尿として排出されます。そのため、毎日欠かさずに摂ることが大切。その際、肉類だけでなく、魚や豆類などからもバランス良く摂るように意識しましょう。

【タンパク質を多く含む食材】
・肉類
・魚介類(特にマグロ、カツオなど)
・卵類
・チーズ
・ヨーグルト
・牛乳
・豆腐
・納豆
・玄米
・そば

ビタミンA

【特徴】
ビタミンAは皮膚や粘膜の健康を保ち、肌のみずみずしさを保つのに効果的な栄養素。細胞の成長を促進し、ターンオーバーを促す効果があります。ターンオーバーが正常な肌はバリア機能も保たれるので潤い肌のキープにつながります。また、肌のハリや弾力に関係する真皮層の線維芽細胞を活性化させる働きも。潤いアップにも効果的があるため、乾燥肌の人はぜひ取り入れたい栄養素です。
ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂るのがおすすめ。熱に比較的強いので、加熱調理をしてもOKです。

【ビタミンAを多く含む食材】
・うなぎ
・鶏レバー
・にんじん
・ほうれん草
・かぼちゃ
・小松菜
・ブロッコリー

ビタミンB2

【特徴】
ビタミンB2は細胞の再生と成長を促進する働きがあり、肌のターンオーバーをサポート。粘膜も整え、潤いのある健康的な肌に導きます。また、脂質やアルコールの代謝にビタミンB2はたくさん使われます。ビタミンB2は体内に貯蔵できず、尿として排出されてしまうので、揚げ物やお酒が好きな人は不足しがち。おつまみにビタミンB2を含んだ食材を取り入れるなど、毎日こまめに摂ることがポイントです。
水溶性で水に溶けやすいため、生で食べるかスープなどにして煮汁を逃さない工夫が必要。光に弱く、当たると酸化しやすいので直射日光が当たらないところで保管するようにしましょう。

【ビタミンB2を多く含む食材】
・豚レバー
・卵
・納豆
・まいたけ
・ブロッコリー
・アボカド
・アーモンド
・牛乳

脂質(オメガ3系脂肪酸)

【特徴】
脂質は角質の細胞間脂質や皮脂の原料となり、タンパク質とともに細胞膜を作ります。脂質が不足するとシワや乾燥を引き起こし、ハリや弾力を失う原因に。よい油は潤いのある美しい肌には欠かせません。
油には良質のものとそうでないものがあります。質の悪い油は活性酸素を発生、腸の悪玉菌を増やすなど、腸内環境を悪化させる要因に。肌を内側から潤わせ続けるには、質の良い油を摂ることが大切です。おすすめは亜麻仁油やえごま油などの「オメガ3系脂肪酸」。オメガ3系脂肪酸はターンオーバーを整え、血液の流れをスムーズにします。さらに、中性脂肪を減らす働きがあります。また、セラミドの材料にもなるので、バリア機能を整えて肌の保湿機能をサポート。シミの原因となるメラニンを抑制する働きもあるので、美容に嬉しい効果がたっぷりの油なのです。
オメガ3系脂肪酸は体内で作ることができない上に酸化しやすいため、油であればサラダにかけたり、パンにつけたりと生で摂るのがおすすめ。青魚であれば、刺身や蒸して食べるか、缶詰で摂るのが良いでしょう。

【オメガ3系脂肪酸を多く含む食材】
・サンマ
・サバ
・イワシ
・亜麻仁油
・えごま油
・チアシード

セラミド

【特徴】
セラミドは表皮の角質層に存在する成分。皮膚の保湿機能を改善し、外部からの細菌の侵入や水分の蒸発を防ぐ働きがあるので、化粧品で保湿成分として広く使われています。食べ物に含まれるセラミド量は、ほかの栄養素と比較するとあまり多くありません。最近ではセラミドを補給するためのサプリメントもあります。食事だけでは足りない場合に活用してみるのも良いかもしれません。

【セラミドを多く含む食材】
・生芋こんにゃく
・米
・小麦
・ほうれん草
・豆類
・きのこ類

乾燥対策におすすめのレシピ

乾燥対策に効果的な栄養素を確認したところで、その栄養素を含む食材を使ったレシピをご紹介します。すでにお伝えしたように、乾燥対策にはバランス良く食べることが大切。レシピを参考にしながら、不足した栄養素は他の食材で補うことも心がけましょう。

乾燥対策レシピ① アボカドとプチトマトのサラダ

乾燥対策レシピ

【材料】2人分
アボカド 1個
プチトマト 5個
オリーブ 5個
レタス  30g
ベビーリーフ 30g
ドレッシング用
亜麻仁油、もしくはえごま油 適量

【作り方】
①アボカド、プチトマト、オリーブを食べやすい大きさに切る。
②レタスを食べやすい大きさにちぎり、ベビーリーフ、①の野菜を皿に盛る。
③亜麻仁油、えごま油などをドレッシングとして適量かけて完成。

アボカドは「食べる美容液」と言われるほど、肌に嬉しい栄養素をたくさん含んだ食材。豊富なビタミンがターンオーバーを整えたり、紫外線ダメージから肌を守ります。また、オレイン酸という良質な不飽和油は肌の保湿効果を高め、潤いと柔軟性のある肌に。オレイン酸の効果を期待して、アボカドを保湿剤として体に塗る美容方法もあるほどです。
アボカドは皮の色が濃いほど熟しており、軽く握ってやや柔らかいものを選ぶのがおすすめ。かたい場合は室温で保管し、食べ頃になったら冷蔵庫に入れると良いでしょう。
アボカドとミニトマトの組み合わせは相性抜群で抗酸化作用の相乗効果が期待できます。仕上げにオメガ3系脂肪酸を含む亜麻仁油やえごま油をスプーン一杯程度振りかけるのもおすすめ。さらに保湿効果がアップして美肌サラダになります。

乾燥対策レシピ② うなぎの蒲焼き丼

乾燥対策レシピ

【材料】2人分
うなぎ 1尾
★しょうゆ 20㏄
★みりん 小さじ2
★酒  大さじ1
★砂糖 大さじ1
ご飯 適量

【作り方】
①開いたうなぎを4等分にし、魚グリルで焦げないように両面、8割ほど焼く。
②鍋に★の調味料と焼いたうなぎを入れ、3~5分ほど煮る。
③仕上げに再度グリルで焼き、完成。

うなぎは栄養素をたくさん含む食材。ビタミンAとB群は肌の新陳代謝をアップし、潤いのあるキメの整った肌に。うなぎ1尾で1日分の摂取量をまかなえます。「若返りビタミン」と言われるビタミンEも含み、抗酸化作用でエイジング効果も期待できます。
また、うなぎの皮には良質なコラーゲンが含まれています。蒲焼きにして皮ごと食べることでお肌がぷるぷるになります。カリウムを含むきゅうりなどを添えて食べるとむくみ予防にもなります。できれば一緒に摂りましょう。

乾燥対策レシピ③ けんちん汁

乾燥対策レシピ

【材料】2人分
鶏肉  150g
れんこん 50g
ごぼう  30g
にんじん 30g
大根  50g
山芋  50g
小ねぎ 4本
★だし汁  400ml
★しょうゆ 小さじ1
★みりん  小さじ1
塩    少々
ごま油  小さじ1

【作り方】
①ごぼうはささがき、山芋は1.5㎝幅の短冊切り、れんこんは3~4mm幅の半月切りにする。
②大根と人参は3~4mm幅のいちょう切りにする。小ねぎは小口切りにする。
③鶏肉は食べやすい大きさに切る。
④鍋にごま油を入れ、①~③の小ねぎ以外の食材を炒める。
⑤★の調味料を入れ、煮立ったらアクを取り、火が通るまで10分ほど煮る。
⑥塩で味を調え器に盛り、小ねぎを散らして完成。

けんちん汁は根菜をたっぷり含んだ栄養満点のすまし汁。鶏肉を入れることでタンパク質も摂れるので美肌にも効果的です。タンパク質はビタミンCと一緒に摂ることで肌に弾力を与えるコラーゲンの材料となります。根菜のなかでもビタミンCを多く含むれんこんを忘れずに入れましょう。
れんこんは太くて重いものがうまみが詰まっていると言われています。切り口から劣化しやすいため、できるだけ細い部分が切られているものを選ぶのがポイント。
根菜類は食物繊維を豊富に含むので、便秘を解消し、腸内環境を整えて肌をみずみずしくきれいにしてくれます。たくさん摂ってめぐりの良い身体を作りましょう。

  • 監修者

    髙木 裕子

    • EDUCATION 学位

      大邱漢医大学 化粧品薬理学部 卒業

    • EXPERIENCE 職歴

      2019年入社
      前職の化粧品メーカーで研究開発、評価研究、商品企画、営業企画を経験。
      NISSHAでは新規事業開発部門 マーケティング部に配属

    • CERTIFICATION 資格

      コスメコンシェルジュ(日本化粧品検定協会)

シェアする