美容情報 #18

紫外線が肌に欠かせない成分に及ぼす影響とは

  • #ヒアルロン酸
  • #エイジングケア

最終更新日:2023年4月21日

  • ライター

    メグミ

    • CERTIFICATION 資格

      コスメコンシェルジュ・コスメライター

うるおった弾力のある肌に欠かせないヒアルロン酸とコラーゲン

ハリ・弾力 ヒアルロン酸

ヒアルロン酸とコラーゲンは、みずみずしく潤いのある肌へと導くためにとても大切な成分です。スキンケアアイテムのパッケージなどに書かれているのを目にする機会が多いのではないでしょうか。ヒアルロン酸とコラーゲンについて、同じようなイメージを持っているかもしれません。しかし、実は異なる役割を持っているため、両方のバランスを良い状態に保つことが大事です。ヒアルロン酸とコラーゲンが肌に必要な理由が分からないという方も多いはず。まずは、ヒアルロン酸とコラーゲンの特徴や働きについて詳しく説明していきます。正しく理解し、みずみずしく潤いのある肌を目指しましょう。

ヒアルロン酸とは

ヒアルロン酸はムコ多糖類の一種で、水分を抱え込む働きをする成分です。たった1gの少量で2〜6Lの水分を保持する力があります。6Lという量は500m Lのペットボトル12本分。ヒアルロン酸は高い保水力があるということが分かりますよね。

膝の関節や目の硝子体など、身体のいたる所に存在。ヒアルロン酸は保水力によって、膝や目が受ける衝撃をやわらげるクッションのような役割をしているのです。また表皮と真皮にも存在しており、肌に柔軟性やハリを与えます。

ヒアルロン酸の量は赤ちゃんの頃から年齢を重ねるごとにだんだんと少なくなり、大人になると赤ちゃんの頃の約20分の1にまで減ってしまいます。そのため不足した分のヒアルロン酸を取り入れる必要があるのです。

コラーゲンとは

コラーゲンはタンパク質の一種で、そのタンパク質のうち約30%を占めています。コラーゲンは皮膚や血管、軟骨など多くの組織に含まれ、身体を構成するために不可欠なものです。

肌の表皮には三重らせん状構造のコラーゲンが存在していますが、その割合はなんと70%。コラーゲンは繊維状に張り巡らされており、その周りの隙間を埋めるようにヒアルロン酸が存在します。

コラーゲンは肌に潤いや弾力を与えるヒアルロン酸の働きをサポートする役割を果たしています。つまりヒアルロン酸とコラーゲンは相互作用をしているのです。

コラーゲンも年齢を重ねるごとに量が減り、60代には20代の約半分となってしまいます。コラーゲン量が減少すると、ヒアルロン酸の保水力が十分に発揮されないので、不足分を補いましょう。

紫外線がヒアルロン酸とコラーゲンに与える影響とは?

紫外線が肌に与える影響

日常生活でヒアルロン酸とコラーゲンを脅かす外的要因、それが「紫外線」。紫外線は身体にとって必要なビタミンDを生成する働きがあります。一方、肌へのダメージを促すものでもあるのです。地表に届く紫外線は波長が長く、真皮まで行き届く「UV-A」と波長が短くエネルギーの大きい「UV-B」の二つがあります。この二つが肌にさまざまなダメージを与えてしまうのです。紫外線の影響と聞くと、シミ・そばかすができるということが一番に思いつく方も多いはず。では、紫外線がヒアルロン酸とコラーゲンに与える影響は、どのようなものがあるのでしょうか。確認していきましょう。

UV-Bによりヒアルロン酸の生産が阻害される

UV-Bは紫外線の1割以下ですが、波長が短くエネルギーが大きいという特徴があります。ほとんど表皮にしか届きません。しかし、UV-Aに比べてエネルギーが大きいため、表皮細胞のDNAを破壊してしまいます。その結果、皮膚癌を引き起こす可能性もあると言われてるのです。

UV-Bはメラニンの生成を促進させシミ・そばかすの原因となることがよく知られています。コラゲナーゼという酵素を活性化させる働きがあり、これが肌のハリ・弾力を失う原因に。コラゲナーゼ酵素は真皮に存在するコラーゲン繊維を分解・破壊してしまいます。すると間接的ではありますが、ヒアルロン酸の生成抑制にが起こるのです。

長時間屋外に出る時は紫外線対策を行うよう心掛けましょう。

UV-Aによりコラーゲンの断片化・減少が起きる

UV-Aは波長が長く、浸透性の高い紫外線です。エネルギーはUV-Bに比べて小さいですが、地表に届く約9割を占めています。また季節問わず、降りそそぐため、蓄積されると肌に大きなダメージを与える原因に。

老化の原因の8割にあたると言われる紫外線による「光老化」。この多くの原因はUV-Aと考えられています。UV-Aは表皮のさらに奥にある真皮にまで到達。肌にハリや弾力を与えるコラーゲンやエラスチンは真皮に存在します。UV-Aによるダメージを受けると、コラーゲンやエラスチンの変性・断片化が起きてしまうのです。その結果、肌本来の働きが機能しなくなってしまいます。

また真皮にはコラーゲン繊維やエラスチン繊維を生み出す元となる線維芽細胞があります。これらが傷つけられるとコラーゲンやエラスチンそのものが生み出されなくなってしまうのです。その結果、老化の原因であるシワ・たるみが現れて肌の老化が進んでしまいます。

様々な種類があるヒアルロン酸とコラーゲンは、分子サイズと特徴を把握して選択

ヒアルロン酸とコラーゲンはそれぞれ分子の大きさによって異なる特徴があります。そこで、化粧品に配合されている事が多いものについてご紹介します。

ヒアルロン酸ナトリウム

分子が大きいため、肌への浸透力は高くありません。その代わり肌の表面にとどまり水分が蒸発するのを防ぐ働きがあります。肌の保湿やバリア機能をサポートすることができ、ヒアルロン酸の中では最も多くの化粧品に使用されています濃度が高くなるにつれて粘度が高くなるので、しっとりとした使用感のクリームや乳液などに配合。

加水分解ヒアルロン酸

ヒアルロン酸ナトリウムに比べて分子が小さいため、浸透性が高いのが特徴。角層の隅々まで潤いを与えることができます。一方、分解が早いので潤った状態を長く維持する効果は高くありませんさらっとした使用感の化粧水や美容液に含まれていることが多いです。

アセチルヒアルロン酸ナトリウム

ヒアルロン酸に油性基が結合することで高い浸透力を発揮します。ヒアルロン酸ナトリウムの約2倍の保湿力を持つ。尚且つ浸透力も高いので「スーパーヒアルロン酸」とも呼ばれています。水分を肌の中にためこむ機能と、角層をやわらかい状態に保ち、肌内部の水分を逃がさない機能があるため、様々な種類のスキンケアアイテムに使用されています

水溶性コラーゲン

化粧品に配合しやすくするために水溶性にしたコラーゲンです。三重らせん状構造を維持した状態であるため、分子が大きく保水力が高いのが特徴です。とろみのあるテクスチャーであることが多い。

加水分解コラーゲン

三重らせん状構造を加水分解・酵素処理して崩すことで生まれるコラーゲンです。水溶性コラーゲンより分子が小さいため、保水力には欠けるものの浸透力は高くなります。とろみが少なくあまり感触に変化が出ません。

ヒアルロン酸とコラーゲン以外の保湿成分もチェック

化粧品は保湿成分の配合で選ぶ

さらに肌のうるおいを高めたい場合は、ヒアルロン酸やコラーゲン以外の保湿成分も確認しましょう。他の保湿成分が併用されている化粧品を選ぶと良いでしょう。

グリセリン

グリセリンは潤いを補給し、肌内部の水分を保つ働きがあります。保湿力はヒアルロン酸以上の持続性分子が小さいため浸透力も高く、角質層の隅々まで潤すことができます。

セラミド

表皮にある角質細胞の隙間を埋めるように存在し、肌内部の水分を守ってくれる重要な成分ですセラミドは肌のバリア機能を整えることで潤いのある肌に導きます。

スクワラン

スクワランは皮脂の主成分であるスクワレンを安定化させて酸化しにくくしたものです。保護膜のような働きをするので、肌内部の潤いを逃さないという保湿効果があります。また他にもバリア機能や肌の柔軟性を高める役割があります

グリセリンは吸水性の高さによって水分を「つかむ」。セラミドは潤いを繋ぎ止める力によって水分を「挟み込む」。スクワランは肌の潤いを逃さないように「ふたをする」働きがあります。それに対してコラーゲンとヒアルロン酸は水分保持力が高いため、水分を「抱え込む」働きがあります。ヒアルロン酸やコラーゲンと働きの異なる成分を組み合わせることで足りない働きを補い、より肌の保湿力が高めましょう。

  • 監修者

    髙木 裕子

    • EDUCATION 学位

      大邱漢医大学 化粧品薬理学部 卒業

    • EXPERIENCE 職歴

      2019年入社
      前職の化粧品メーカーで研究開発、評価研究、商品企画、営業企画を経験。
      NISSHAでは新規事業開発部門 マーケティング部に配属

    • CERTIFICATION 資格

      コスメコンシェルジュ(日本化粧品検定協会)

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