美容情報 #29

ほうれい線改善にヒアルロン酸注射が用いられる訳

  • #ヒアルロン酸
  • #エイジングケア

最終更新日:2023年4月25日

  • ライター

    Kana

    • CERTIFICATION 資格

      コスメコンシェルジュ・コスメライター

加齢とともに肌悩みの一つとなるのがほうれい線。さまざまなスキンケアを試していてもあまり効果が感じられないと悩む人も多いのではないでしょうか。ほうれい線はできてしまってからの改善はなかなか難しいと言われています。今回はそんなほうれい線の改善に効果的なヒアルロン酸注射やスキンケアでできる予防方法をご紹介します。

ほうれい線の原因

ほうれい線

ほうれい線は小鼻から唇まで伸びる線を指します。線が入るのでシワだと考える人も多いですが、ほうれい線の原因はたるみです。たるみは年齢とともに皮膚の真皮層にあるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸など肌の減少によるもの。ハリや弾力を失い、重力で皮膚が垂れ下がってくることによって起こります
口元の皮膚や筋肉組織とに比べ、頬の組織のほうが重力で垂れ下がりやすく、ほうれい線として現れます。重力以外にも、加齢で筋肉や骨が萎縮することで皮膚がたるみ、ほうれい線の原因となります。体内のコラーゲンやエラスチンは20代後半から、ヒアルロン酸は40代後半から徐々に減少します。

ほうれい線の原因で注意したいこと

肌の乾燥や紫外線・ブルーライトを浴びる、喫煙やストレスなどもコラーゲンを減らす原因です。コラーゲンは、一度ダメージを受けるとなかなか回復しません。そのため、肌がしぼんあり、垂れ下がったりした箇所に注射等でヒアルロン酸を補充する美容施術があります。肌のハリを保ち、ほうれい線に悩まない肌づくりを意識し、スキンケアや生活習慣を見直しておくことも非常に大切です。

ほうれい線の予防方法① 口元の筋肉をほぐす・鍛える

ほうれい線は一度できてしまうと自力で改善することが難しいと言われています。そのため、短期間で解消するのは難しいでしょう。

顔の筋肉をケアすることはシワやたるみを防ぐためにとても大切です。顔の筋肉は場所によって「ほぐす」、「鍛える」を使い分けると効果的です

顔の上半分は筋肉がこり固まり、柔軟性を失いやすいため、定期的にほぐしましょう。一方、顔の下半分は筋肉が衰えることで脂肪を支えきれずに下がってしまうもの。シワやたるみにつながりやすいため、顔の筋肉を鍛えることが必要です。

ただし、老廃物が溜まって顔の循環が悪くなると、筋肉が固くなっているため、ほぐすことから始めましょう。

口元の筋肉を鍛える方法1

 割り箸を犬歯より奥でくわえた状態を10分程度キープ。

口元の筋肉を鍛える方法2

 口を閉じ、口内で舌を大きくゆっくりと回す。

 時計回りに10回、反時計回りに10回を1セットで行う。

 ※舌に連動する筋肉を鍛えることで頬のたるみを予防します。

口元の筋肉を鍛える方法3

 限界まで口を大きく動かし、「あ、い、う、え、お」を3セット行う。

ほうれい線の改善方法➁ ヒアルロン酸注射

予防を頑張っても、加齢は避けられないもの。ほうれい線ができた場合の改善方法として注目されているヒアルロン酸注射について紹介します。

ヒアルロン酸は水分保持に非常に優れた成分。真皮ではコラーゲンとエラスチンの間を埋めて皮膚に弾力性と柔軟性を与えています。このヒアルロン酸を注射で直接注入し、凹んでいるところにボリュームを出すことが可能です。ヒアルロン酸注射により、顔のラインを整えることでほうれい線も改善できます。

ただし、注入したヒアルロン酸は徐々に吸収・分解されてしまうため、効果を維持するためには半年〜1年の間隔で定期的に通う必要があります
ヒアルロン酸はもともと体内に存在する物質。そのためアレルギー反応がほとんど起こらず、ダウンタイムも比較的少ない治療です。他にも施術時間が短い、治療後すぐに効果を実感できるという点から、受診しやすい美容医療の一つと言えるでしょう。

ヒアルロン酸注射は注意が必要?

美容注射

ヒアルロン酸注射は手軽にボリュームを与えることができます。ふっくらとしたハリ弾力のある肌への改善が期待される美容医療ですが、注意も必要です。

ヒアルロン酸製剤について

ヒアルロン酸製剤にはグレードがあります。効果と安全性が認められている高品質な製品から、体内に吸収されにくい物質が混入しているも。そのため注意が必要です。

医師やクリニックを選定

注入の仕方でボリュームの出方も変わります。医師の腕によって仕上がりが大きく変わってくるという事を知っておきましょう。治療の結果が気に入らない場合はヒアルロニダーゼという物質を注入して溶かすこともできます。信頼できる医師を探して治療を受けることができれば問題ないでしょう。事前によく調べることが大切です。

ヒアルロン酸注射に抵抗がある方は化粧品で対策

マイクロニードルパッチとニードル(針)の拡大図

クリニックでのヒアルロン酸注射の施術はハードルが高いと感じる方にマイクロニードルパッチがおすすめです。美容施術のような即効性のあるものではなく、角層内のヒアルロン酸を保つセルフメンテナンスという美容方法。美容施術は半年を目安に通う必要があります。マイクロニードルパッチは週1、2回自宅で行うスキンケアです。

マイクロニードルパッチは微細な針(ニードル)がパッチについた部分用パックのこと。この針はヒアルロン酸などの美容成分でできています。パッチを気になる箇所に貼ると、針が角層を押し広げ角層最深部まで届きます。これにより角層最深部のすみずみまで美容成分を浸透させることができる画期的なアイテムです。

ほうれい線ができる前に、スキンケアで対策を

年齢を重ねるとともに皮膚が垂れ下がったり、筋肉が衰えたり、骨が萎縮することは自然なこと。ほうれい線を予防するためにはたるみがひどくなるのを遅らせるための日々のスキンケアが大切です。

ほうれい線予防① スキンケア

ほうれい線予防のスキンケアでまず押さえておきたいのは、保湿を徹底すること。肌の乾燥はバリア機能の低下につながり、ほうれい線のみならず、あらゆる肌トラブルの原因になります。コラーゲンやヒアルロン酸などを配合したコスメでうるおった肌をキープすることは絶対条件です。

基本の保湿ケア行動は大丈夫? チェックしてみましょう!

☑ クレンジング・洗顔後の肌がつっぱらないよう、自分に合うアイテムを選ぶ

☑ クレンジング・洗顔後はすぐに保湿スキンケアでお手入れ

☑ 目元口元など皮膚が薄く乾燥しやすい部分は油分を補給

次に紫外線対策も非常に重要です。室内で過ごす日でも紫外線は窓ガラスやカーテンで完全に遮断するのは難しいもの。できれば、室内で過ごす時も、日焼け止めは毎日欠かさず塗りましょう。

日焼け止めは手のひらに出すと40%程度が手のひらに残ってしまうと言われています。特に皮膚が薄い目元口元には重ね塗りが効果的です。手の甲をパレットのように使い、日焼け止めを少しづつ出して、人差し指と中指の先にとりポンポンと軽くたたくようにして塗るとよいでしょう。

ほうれい線予防➁ 美容成分

ほうれい線のケアでおすすめの成分は医薬部外品においてシワ改善の有効成分である「レチノール」、「ナイアシンアミド」。また、コラーゲン生成促進効果が期待できる「ペプチド」もよいでしょう。

■レチノール
レチノールはビタミンAの一種で、皮膚のターンオーバーを促進する作用のある成分です。ヒアルロン酸やコラーゲンの生成を促する効果があります。肌にハリが出て皮膚の水分量を増やし、保湿力をアップさせることから、シワを改善する効果が謳われています。また、紫外線ダメージを軽減する効果や皮脂を抑えてニキビや肌荒れにも効果のある優れた成分です。

■ナイアシンアミド
レチノールの他にシワに有効な成分として、注目したいのがナイアシンアミドです。ナイアシンアミドはビタミンB群の一種。抗シワ作用の他にも肌バリア機能の改善や抗炎症作用、美白効果などさまざまな効能があります。紫外線ダメージによるコラーゲンの減少を防ぐ作用や、コラーゲン生成の促進作用があると言われています。また、優れた効果だけでなく、他の有効成分とも組み合わせて使いやすいという特徴もあります。さらに、比較的刺激を感じにくい成分でもあるので、敏感肌の人へもおすすめしやすい成分です。

■ペプチド
ペプチドはアミノ酸とタンパク質に分類される成分です。コラーゲンを産生しシワを抑制する作用のあるものや、酸化・糖化を防ぐものなど様々。ペプチドも比較的刺激になりにくいため、目の周りなど皮膚の薄い箇所にも塗りやすいといったメリットがあります

  • 監修者

    髙木 裕子

    • EDUCATION 学位

      大邱漢医大学 化粧品薬理学部 卒業

    • EXPERIENCE 職歴

      2019年入社
      前職の化粧品メーカーで研究開発、評価研究、商品企画、営業企画を経験。
      NISSHAでは新規事業開発部門 マーケティング部に配属

    • CERTIFICATION 資格

      コスメコンシェルジュ(日本化粧品検定協会)

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