たるみやシワ、なんとなく老けて見えるような気がする…など、肌にあらわれるエイジングサイン。気になり始めたら、スキンケアに加え、自宅でセルフケアとしてマッサージを組み合わせるとより効果が期待できます。
「たるみ」と「シワ」の対策としておすすめのフェイスマッサージや頭皮マッサージをご紹介します。
フェイスマッサージで覚えておくべきポイント
まずはフェイスマッサージにおいて大切なポイントを3つ紹介します。
ポイント1:マッサージとクレンジング料は別物
フェイスマッサージをする際、摩擦による肌への刺激を避けるのがポイントです。そのため、マッサージクリームやオイルを使用することが推奨されています。「毎日使用するクレンジング料で化粧を落としながら、ついでにフェイスマッサージが一石二鳥」と思う方もいるかもしれません。しかし、クレンジングとフェイスマッサージは、目的が全く異なります。
クレンジングは、肌表面についている「メイクや汚れを落とす」ための行為です。クレンジング料には、メイクを溶かす成分が含まれています。この “メイクを溶かす成分” 自体が肌に負担をかける原因になることも。また、クレンジング時にマッサージを行うと、クレンジング剤に溶けたメイクや汚れも一緒に肌に押し付けることに。結果、毛穴に汚れを詰めてしまったり、汚れで肌を痛めたり、と肌への刺激になるリスクがあると言われています。そのため、クレンジング料が肌に触れている時間をできるだけ短くするようにしましょう。目安は30~40秒程度です。
一方、フェイスマッサージは「適度な刺激や圧を与える」行為です。筋肉のコリをほぐし、血流やリンパの巡りを良くしたり、老廃物の排出を促したりといった効果が期待できます。
そのため、時間をかけてじっくりとマッサージすることが大切です。
メイク落としのついでのフェイスマッサージは避けましょう。洗顔後の清潔な肌と手で、時間をかけてゆっくりとマッサージすることが1つ目のポイントです。
ポイント2:こすりすぎ・摩擦はNG
2つ目のポイントは、摩擦を避けるためにマッサージの際の圧のかけ方への注意です。強い力でこすらないようにしましょう。顔の皮膚を引っ張る・引き上げるのではなく、顔の筋肉に力を加えるのがコツです。
シミやそばかすの原因となる「メラミン」は摩擦などの強い刺激を受けると過剰に生み出されると言われています。つまり、フェイスマッサージの方法を誤り、強くこすりすぎるのは厳禁です。ターンオーバーで排出しきれないほどメラニン色素が過剰に分泌され、シミやくすみとなるリスクがあります。
また、過度な圧や摩擦は、さらなるたるみを引き起こす要因にもなります。過剰な肌への刺激により、皮膚の弾力を保つコラーゲンやエラスチンが破壊されてしまうためです。
摩擦による刺激を減らすために、力のかけ方に注意すしましょう。加えて、クリームや乳液・オイルを潤滑剤として使用するのもよいでしょう。
ポイント3:意識するのは「リンパの流れ」
3つ目のポイントは、マッサージをするときにリンパの流れを意識することです。
リンパの流れの滞りはむくみやたるみに繋がると言われています。そのため、筋肉のコリをほぐしてリンパの流れをスムーズにすることを意識するとよいでしょう。
フェイスマッサージを行う前に、あらかじめ血行を良くして、リンパが流れやすい環境に整えておくこともおすすめです。
・うなじから左右の肩にかけて、上から下へ両手を使って撫で下ろす
・耳の下あたりから鎖骨へかけて、上から下へ両手を使って撫で下ろす
・鎖骨中心部から左右の鎖骨、肩の順に撫でる
・脇の下を反対の手で揉みほぐす
※リンパとは、血管のように全身に張り巡らされているリンパ管、リンパ管とリンパ管をつなぐリンパ節、リンパ管の中を流れるリンパ液のことで、細菌や異物が体内に侵入しないようにする免疫の働きと体内の老廃物の回収と運搬を行う排泄の働きを担っています。
リンパ液は血液のように体内を循環するための一定の流れを持っているものではないため、老廃物などがうまく排出されずにリンパ管に溜まると、リンパ全体の流れが滞ります。
マッサージは目的に合わせて行う
フェイスマッサージのポイントをおさえたところで、ここからは目的に合わせたマッサージ方法を紹介します。
目もとの「たるみ」が気になる時
ステップ1:
耳の前を、指先で円を描くように軽く揉みます。
ステップ2:
耳の下から鎖骨に向かって、親指以外の4本の指を使って撫で下ろします。
左右3回ずつしましょう。
ステップ3:
眼球のまわりのツボを、顔の内側から外側に向かって押します。目の外側では耳の前にあるリンパ節を意識しましょう。
※目もとは皮膚が薄く刺激を受けやすいので、力が入りづらい薬指を使うのがおすすめです。
目もとの「シワ」が気になる時
目もとのシワは、目のまわりにある筋肉をほぐすことで解消が期待できます。
<おでこのマッサージ>
ステップ1:
両手の親指以外の4本を使って、眉毛の上側から生え際へ向かって少しずつ指の位置をずらしながら指圧をかけます。1セット3回行います。
ステップ2:
指圧した箇所をなぞるように、眉毛の上から生え際に向かって指を流します。こちらも1セット3回行います。


ほうれい線が気になる時
口の開け閉めや歯を噛み合わせたときに動く「咬筋」が緊張すると、口角の下がりやほうれい線、顔のゆがみの原因になると言われています。
咬筋をしっかりもみほぐしましょう。
ステップ1:
親指の腹を使って咬筋の上側部分をおさえます。
※右側の咬筋は左手、左側の咬筋は右手を使ってほぐすとやりやすいです。
ステップ2
咬筋を押さえながら、口の開閉を6回繰り返します。
開閉は、口が「あ」と「ぐ」の形になるように動かすことがポイントです。
ステップ3:
咬筋に沿って顎側に押さえる位置を1cmほどずらし、ステップ2を繰り返します。
咬筋に沿って3ヵ所行いましょう。
ステップ4:
反対側の咬筋も同様にほぐします。



顔全体のたるみが気なる時
ステップ1:
右手でこぶしを作り、フェイスラインに沿って第二関節を当てます。
ステップ2:
顎から耳の下に向かって、撫でるように動かします。
ステップ3:
当てる箇所を口角部分へ変え、口角から耳の横に向かって動かします。
ステップ4:
当てる箇所を小鼻部分に変え、小鼻からこめかみに向かって動かします。
ステップ5:
左側も同様にマッサージします。
顔のむくみが気になる時
顔のむくみは顔表層にあるリンパの滞りが原因で起こるとされているため、リンパをしっかり流すことでむくみの解消が期待できます。
ステップ1:
手で三角形を作り、人差し指が鼻の横に、親指が顎の下にくるように顔に当てます。
ステップ2:
手を耳の前まで真横に撫でるように動かします。
このとき、親指はフェイスラインをなぞることを意識しましょう。
ステップ3:
耳の前から鎖骨まで流します。ステップ2と3を5回くらい繰り返し行います。
ステップ4:
額を包み込むように、額の中央に両手をおき、耳の前にくるように優しくなで、鎖骨まで下ろすように流します。5回くらい繰り返し行います。


マッサージが終わった後のうるおいケアも忘れずに
マッサージ後に、体や肌に潤いを補給することも重要です。
アフターケア1: 水分を摂取する
マッサージの後にコップ1杯の水分を摂るとことで体内の水分の流れが良くなると言われています。体内の水分の巡りが良くなると、リンパの流れもよくなるので老廃物も排出されやすくなります。体を冷やさないように常温や適度に温かい白湯などがおすすめです。水分を摂りすぎるとかえってむくみを引き起こすリスクがありますので、適量が肝心です。
アフターケア2: スキンケアで肌を保湿する
フェイスマッサージの後は、血液循環が良くなっているので、スキンケアの効果が出やすいと言われています。うるおい成分が配合された化粧水、美容液、クリーム、乳液、マイクロニードルパッチなどを使って、しっかりと肌に潤いを与えるケアが理想的です。