美容情報 #16

男女の肌質の違いとは?注意すべきお手入れポイント

  • #メンズスキンケア

最終更新日:2023年6月28日

  • ライター・監修者

    髙木 裕子

    • EDUCATION 学位

      大邱漢医大学 化粧品薬理学部 卒業

    • EXPERIENCE 職歴

      2019年入社
      前職の化粧品メーカーで研究開発、評価研究、商品企画、営業企画を経験。
      NISSHAでは新規事業開発部門 マーケティング部に配属

    • CERTIFICATION 資格

      コスメコンシェルジュ(日本化粧品検定協会)

メンズコスメの種類が増え、20、30代を中心に男性もスキンケアが定着しつつあります。男性用でないと男性の肌には合わないのか?と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

メンズコスメやスキンケア方法の情報はまだまだ少ないため、情報収集は欠かせません。まずは男性と女性の肌質の違いを知り、正しいスキンケア情報を得ましょう。さらに、ご自身の肌に合うスキンケアを考える機会になれば嬉しいです。

男性と女性の肌の特徴

【男性】皮脂量が多く、うるおいを維持しにくい肌質

男性は皮膚が厚く、女性にくらべると皮脂の分泌量が2倍以上と多い点にあります。また、肌のうるおいを維持する角層細胞の数が少ないため、女性に比べ水分が蒸散しやすいのです。結果、肌の水分量が少なくなりやすく、水分量を維持しにくいと言えます。そのため、女性のようなみずみずしく透明感のある肌に見えにくいのです。

皮脂は天然の保湿成分とも言われています。皮脂が多い男性の肌は表面を皮脂がおおうため、乾燥しにくいと感じる方も多いと思います。しかし、インナードライは女性より起こりやすいのです保湿ケアを軽んじていると年齢とともに、エイジング現象が表れてしまうことも。シミ、シワ、くすみなどは実年齢よりも老けて見えてしまうものです。予防を目的としたお手入れを心掛けてください。

まとめ「キメが粗い」「毛穴が目立ちやすい」「肌滑りが悪い」「ザラっとした肌感触」

【女性】皮膚が薄く、肌状態がゆらぎやすい

男性に比べて皮膚が薄く、保水力があります。ただし、女性の肌は皮膚が薄いため外的要因によるダメージを受けやすいのです。また生理周期によるホルモンバランスへの影響もあります。そのため、肌状態がゆらぎやすいのです保湿スキンケアをベースに、肌状態や肌悩みに合わせて化粧品を使い分ける事が大切です。外出時はデリケートな肌を守るため、化粧下地や日焼け止めで多少の油分補給と日焼け止め対策をすることも忘れてはなりません。またベースメイクは塗る際の摩擦が肌への負担となりますので、ゴシゴシと肌をこすらないよう塗る事を心掛けてください。

 まとめ「キメが細かい」「みずみずしい」「なめらかですべすべとした肌感触」

スキンケアの基本と男女別のポイント・・・洗顔

男女問わず、基本として行ってほしいスキンケアは「洗顔」「保湿」「紫外線対策」です。この基本のお手入れを毎日続ける事を習慣にしましょう。まずは洗顔から見て行きましょう。

正しい洗顔 泡立て

【男性】皮脂を落し過ぎない

男性の肌はTゾーンと言われる、おでこから鼻までは他の部分は特に皮脂が多く分泌します。過剰に分泌された皮脂はニキビや吹き出物、さらに臭いの原因にもなります。ですので、皮脂を落として清潔にすることで肌トラブルを予防する事が大切です。

とは言え、1日に何度も洗顔をするのはNGです。肌のうるおいを守るために必要な皮脂まで取り除く可能性があります。必要な皮脂まで落としてしまうと、うるおいを保つバリア機能が低下します。洗顔料を使用した洗顔は朝と晩の1日2回がおすすめですスポーツの後や外から帰宅して軽く汚れを落としたい時は、ぬるま湯で軽く洗うとよいでしょう。

必要以上に皮脂を落とさない事がうるおいバリア機能を守るポイントです。正しいメンズスキンケアで清潔な肌を保ちましょう。

【女性】メイクに合わせてクレンジング料を選ぶ

女性はメイクを日常的にしている方が多いと思います。クレンジング料と洗顔料を両方使用するという方も多いのではないでしょうか。毎日の化粧落としは、それだけで摩擦により肌に負担を与えてしまいます。また洗浄力の高いクレンジング料や洗顔料を不用意に使うと皮脂を落し過ぎることも。メイクの種類に合わせてクレンジング料が必要か否かを判断したり、落ちにくいメイクをした部分にのみオイルクレンジングを使うなど工夫するとよいでしょう

一般的にクレンジング力の高い順番は、オイルクレンジング > クリームクレンジング > ミルククレンジング > リキッドクレンジング > 洗顔料 > 石けん と言われます。界面活性剤の種類や配合量によっては、クレンジング力が高い場合もあります。ですので、必ずしもこの順序であるという訳ではありません。美容部員さんに確認することもおすすめします。

界面活性剤とは

下図のように、水になじみやすい「親水性」の親水基と、油になじみやすい「親油性」の親油基の2つの部分を持つ物質の総称です。

界面活性剤とクレンジング力

親油基が皮脂やメイクをキャッチし、親水基が洗い流すのをサポート。これによりクレンジング効果を発揮します。

女性は皮脂の分泌量が多くありません。乾燥している時や、朝起きて顔に油が少ない時はぬるま湯でやさしく洗ってください。

スキンケアの基本と男女別のポイント・・・保湿

化粧水で水分補給

【男性】洗顔後の水分補給を習慣に

男性の肌は皮脂により肌表面は守られています。ですが、肌内部(角層)は乾燥しやすいため、洗顔後は水分補給が大切です

また、洗顔後は皮脂を落とすため、一時的に油分が減少します。補給した化粧水のうるおいを保つために、油分も少し補うことをおすすめします。

特にひげそり後はカミソリは肌にダメージを与え、肌表面のキメが乱れる原因になります。そのため、うるおいを維持するためのバリア機能が低下を引き超すことも。慢性的な乾燥状態になる前に、化粧水でしっかり水分を補いうことを習慣にしましょう。加えて、油分で水分蒸散を防ぐ事もおすすめです

どんな化粧品を使ったらよいか分からない方は「メンズスキンケア」で検索してみましょう。最近はメンズコスメの種類が豊富になってきています。ご自身に合ったメンズコスメが見るかるかもしれません。

【女性】肌状態や季節に合わせてスキンケアを

女性の肌はゆらぎやすく、デリケートです。またホルモンバランスが乱れやすいため、肌状態や季節に合わせたスキンケアを心掛けましょう

昨今は混合肌の方が多く、お手入れの仕方が複雑だと思う方も多いのではないでしょうか。毛穴が目立つのが気になる方は、特に皮脂腺が多いとされるTゾーンのお手入れに注意しましょう。Tゾーンには油分が多いクリームやオイル美容液などを塗り過ぎないのがポイントです。肌状態や季節によって、塗布量を減らす事を意識してみてください。

目元や口元など皮膚が薄く、他の部位とくらべて乾燥しやすい部位です。さっぱり系のスキンケアでお手入れする場合は、目元口元だけクリームや美容液を塗るのがおすすめです。

また目元用、口元用の化粧品は多く発売されています。目元には美白、口元にはシワなど、それぞれのパーツの悩みに合わせたものを選ぶと効率的です。

スキンケアの基本と男女別のポイント・・・紫外線対策

【男性】皮膚が厚い男性も紫外線対策を

男性は女性にくらべて皮膚に厚みがあるからと言って、紫外線対策はしなくても大丈夫!という訳ではありません。紫外線は角層をすりぬけてしまう波長であるため、紫外線対策は老若男女問わず必要なのです。

紫外線で地上に到達するものはUVAとUVBの2種類

  • UVAは波長が長く、シワやたるみを引き起こします。
  • UVBはUVAより短い波長で、見た目を美しく保つのに寄与している表皮に到達します。その結果、シミや肌荒れを引きおこします恐れがあります。
UVAとUVBは肌に与える影響

紫外線は強弱はあるものの、年中、天気に関係なく毎日降り注いでいます。まずは外出時には日焼け止めを塗ることを習慣にしましょう

男性は皮脂の分泌量が多く、この皮脂が日焼け止めと混ざると崩れやすくなります。汗をかかなくても、こまめに塗り直すことをおすすめします。

【女性】肌に負担をかけないようシーンに合わせて日焼け止めを選ぶ

女性は日焼け止めだけではなく、ベースメイクで日焼け止め対策をしている方も多いでしょう。紫外線のブロック力を示す指数であるSPFとPAは、高いほどブロック力があるのは知られています。では、この指数を増やせば、増やすほどよいのか?と言うとそうではありません。

日焼け止めは肌の負担にもなります。季節や生活シーンなどに合わせて適切なSPFとPAのものを選びましょう。日焼け止め効果を保つためにこまめに塗り直す事が重要ですまた紫外線対策は日焼け止めだけではなく、サングラスや日傘を使用することもおすすめです。

お出かけシーンに合わせて日焼け止めを選ぶ

シーン別日焼け止めの選び方

美しい肌の維持は日々のお手入れから

肌の調子を確認し整える

自分がイキイキと輝けるための肌印象づくりは、スキンケアだけではありません。体調やメンタルのコンディションを整える事も間接的に関わってきます。前向きな気持ちこそが美しさの鍵かもしれません。

スキンケア、もちろんそれ以外も、努力している自分のことは好きになれるはず。自分の肌に向き合い、自分に合う化粧品を選ぶ事は大切です。効果ばかりを気にするのではなく、時にはデザインや香り、使用感、あこがれの人が使っているなど「自分が楽しむ事ができるスキンケア」を選ぶ事もお手入れを毎日続けるコツです。

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